2021年10月26日火曜日

楽天モバイルのエリア・つながりやすさと今後の展望

はじめに

2020年の4月にサービスを開始し、1年半が経過した現在の楽天モバイル。エリアが充実してきた印象ですが、他のキャリアと比較すると明らかにつながりにくいのが現状です。
楽天モバイルのつながりにくさは、他のキャリアと性質が異なります。他のキャリアでの「つながりにくい」とは、いわゆる輻輳を指すことが多いように見受けられます。一方、楽天モバイルの場合、エリア展開に穴が多く、そもそも物理的に基地局に安定接続できず、「つながりにくさ」を生んでいるというのが、個人的な所感です。

自宅での接続状況

現在私が使っている端末の機種は、ソニーのSIMフリースマートフォン「Xperia 1 II」です。楽天モバイル公式サイトの対応機種一覧には記載されていませんが、楽天回線エリアで使われるBand3と、パートナー回線エリアで使われるBand18/Band26に対応しています。(5G NR n77で楽天回線エリアの5Gを利用することはできません)

自宅付近(TAで推測するにおよそ1km以内の圏内)に2~3カ所の楽天自社基地局があるようですが、自宅内ではアンテナピクトの「4G」がついたり消えたりを繰り返し、時には圏外になるといった動作をします。
おそらくですが、基地局への接続を試みるも失敗している、という動作を繰り返しているのか、それとも接続成功するも不安定で、ハンドオーバーを繰り返すという動作のどちらかを行っているものと思います。

自宅に最寄りの基地局が直線距離で150~200m程度の距離にありますが、障害物が多いからか、電波がかなり減衰して自室内まで満足に届かないようです。基地局から送信される基準信号の受信電力レベルを示すRSRPは、自宅のすぐ外で-104dBm~-110dBmを示すのに対し、自宅内だと-118dBmと大きく減衰しています。家の壁などの構造物による減衰を受けていることがわかります。
基地局までの見通し範囲にも家屋などの障害物が多く、それによる減衰の影響を大きく受けているのではないかと疑っています。

また、あまり意識されませんが、セル通信では下りと上りで送信出力が異なります。下りでは数十ワット程度、ときには100ワットを超える送信出力で運用されることもあるのに対し、端末から基地局に向かう上りリンクでの送信出力は1ワットにも満たない小さなものです。そのために、基地局からの下りリンクが十分に掴めたとしても、端末からの上りリンクが十分に基地局まで届くとは限らないのです。
実際、自宅で楽天回線を運良く掴めた場合、下りの通信速度は実測値で30Mbpsを超えますが、上りの通信速度は0.2Mbps程度と遅く、パケットロスも多いようです。このことから、上りリンクが基地局まで十分に届いていないのではないかと推測しています。

さらに困ったことに、どうも楽天自社回線の電波が多少弱くても、パートナー回線ではなく自社回線を優先して使う制御がなされているような挙動をします。パートナー回線で通信していても途中で自社回線へ切り替わることがありますし、自社回線への接続が失敗すると、パートナー回線に切り替わることなく圏外表示になることがあります。この挙動にはウンザリしています(楽天モバイルが公式で販売している機種ではないため、そうした細かい挙動まではサポートされていませんが...)

こうしたローミングまわりの挙動が怪しいことから、なるべくなら楽天が自社でローバンド(1GHz以下のバンド)を運用してほしいよね~とつくづく思います。

現在のエリア展開

楽天のつながりにくさを生んでいるのは、エリア展開の穴が多すぎるからだと考えています。穴が多すぎるというのは、一見エリアマップ上では提供エリア内に見える場所でも、実際には電波が弱い場所、届きにくい場所といった「穴」が非常に細かく点在している、と言い換えられると思います。

エリア展開の穴が多すぎるという仮説は、基地局数によって裏付けられると考えます。
こちらの2021年9月27日の日経クロステックの記事では、既に楽天回線として電波を発射している基地局が3万局近いとあります。
一方、2021年8月4日のASCII.jpの記事では、ソフトバンクがプラチナバンド(1GHz以下の周波数帯)の割当以前にエリア展開で苦労したことについて触れ、「総務省に「(プラチナバンドの割当は2GHz帯を)使うだけ使ってから」と言われた」「2GHz帯で15万局、最終的には18万局と基地局を立ち上げた」とコメントしています。

2年にも満たない期間でこれだけの基地局を立ち上げた楽天モバイルのスピード感には脱帽ですが、他のキャリアと比較すると絶対数では未だにお話にならないのが現状です。

また、楽天モバイルには、サービスが提供されていないエリアも広く残されています。既存エリアでのつながりやすさを高めることだけではなく、新規エリアを開拓していくことも重要な課題です。

今後の展望

楽天モバイルは現在世界的な半導体不足の煽りを受けて基地局整備計画に遅れが出ています。
2021年10月4日のケータイWatchの記事では、建設が完了しているが半導体不足の影響で開局が遅れている基地局が1万局程度あるとしています。半導体部品の到着予想が年末頃とされており、人口カバー率96%を達成するのは2022年3月頃と予想されています。

一方、上記で挙げた、楽天モバイルが既にサービスを提供しているエリア内の「穴」問題について、楽天がどう捉えているのか、一人のユーザーとしては分からない部分もあります。エリア内にも電波が届かない場所があるという現象そのものは楽天モバイル側も認識しているはずですが、具体的にどこに電波が届いていないのかについて把握を進めているのかは不明です。そのうえ、今の楽天モバイルにとって、こうした細かな「エリアの穴」に対して対処する体力があるかというと、それも期待できないのが正直なところです。

また、エリア改善要望を伝えても、具体的な対応策が示されないことについても、ユーザーの立場としては不満があります。my 楽天モバイルアプリのエリア改善要望フォームで自宅に電波が届かないことを伝えても「Rakuten Casaの設置をおすすめします」の一点張りです。Casaはフェムトセルに分類される基地局で、利用には高速インターネット回線の契約が必要。店舗やオフィスに設置して客や従業員に楽天回線エリアを提供するならともかく、個人が自分で使うためにCasaを利用するメリットはほとんどありません。

その他に気になることですが、楽天モバイルは4G用として全国で使える1.7GHz帯(20MHz幅×2)のほかに、東名阪以外の全国で5Gエリアを構築するための1.7GHz帯(20MHz幅×2)の新規割当も2021年4月に受けています。こちらに関しては現在動きが見られません。4Gを20MHz幅×4で運用しているという情報も見られません。東名阪で使えず、周波数帯も既に展開しているものとほとんど同じという不利な条件で、かつ割当を受けてまだ日が浅いとはいえ、今後の動向が不明です。

所感

最初は新しいおもちゃのつもりで軽い気持ちで楽天モバイルを契約。当時はインターネット回線としてUQ WiMAX2+を契約していたので、サブ回線としてもほとんど使っていませんでしたが、WiMAXを解約してからはデータ通信用に頻繁に利用しています。楽天の通信品質を未だに信用していないので、メイン回線としてdocomoのシェアパック契約も併用し、双方の長所を良いとこ取りする使い方をしています。

私自身が情報系専攻でネットワーク構築に興味があることから、楽天モバイルのエリア拡大は大いに応援したくなる立場です。既存の3キャリアによる独占や癒着を崩すという意味でも楽天モバイルに期待しています。

しかし、自宅が楽天回線エリアになるまでは、やはりお金を落とすことはできないなと感じています。私の楽天モバイルの契約時期が2021年2月なので、無料期間終了が2022年の2月末。同年3月1日からは月額3000円弱の課金が始まりますが、それまでに自宅でスムーズに利用できるようになるとは到底思えません。

半導体不足によるエリア整備の遅れが来年度までに解消されるかというと怪しい気がしていますし、楽天モバイル側が自宅周辺の通信状況を認識しているかというと、それも怪しいです。
どうしようかなあ。課金開始までに自宅周辺で繋がらなさそうなら解約するなり他のキャリアを追加契約するなり検討しないといけないかなと感じています。

2021年10月8日金曜日

Linuxサーバーの近況

ちょうど10ヶ月くらい前に、 Ubuntuサーバーの現状と今までにやったこと、今後のToDo という記事を書きました。あれからもう一年経とうとしてるんですね。はえーもんだわ。

その当時は自宅サーバーやりてえなあって思ってたんですが、今では普通に某石狩県のVPSを契約してそこをWebコンテンツ置き場にしています。自宅のLinuxマシン(昔買ったNEC Mate)は実験とお遊び用です。ラズパイ3Bも手元にあるんですが、ちゃんとしたPCのほうがサクサク動いて使い勝手がいいので、今はラズパイは電源切ってあります。
(つーか、このラズパイ、借り物なんだよなあ。どうしよ...)

VPSですが、今はnginxとMkDocsとRedmineが動いてます。nginxは静的Webコンテンツの配信とリバースプロキシを担当し、MkDocsとRedmineはDockerコンテナ上で動作し、nginxのリバプロを経由して外から通信できます。サーバー運用で一番手間掛かってるのがnginxのコンフィグファイルの作成と調整だったりしますが、それを除けばDockerのおかげでホイホイとサービス建て放題になっててめっちゃ楽です。そのうち自己紹介ページをテコ入れして、Webアプリ開発の勉強しつつ、片手間でおひとりMastodonサーバーもやりたい。

最近導入したのがCloudflareです。DDoS対策に必須と聞いていたので早く導入すべきでしたが、つい数週間前くらいにようやく導入しました。実際やってみると簡単なんですけどね。
CF導入と同時にセキュリティも見直し、TLSバージョンを1.2-1.3のみにし、HSTS有効化。もちろん、オリジン-エッジ、エッジ-クライアントのすべてでhttpsが使われるようにしています。

サーバーをいじっていて思うのですが、どんな便利な技術も、右も左もわからないところから最初の一歩を踏み出すまでが大変です。一度理解してしまえば「なーんだ、こんなに簡単なことだったのか」と思うんですが。
自分の場合、サーバーをいじるときは事前学習と実作業の時間配分はだいたい8:2くらいだと思います。情報収集に一番時間をかけて、何をすればいいかの段取りを掴まないと作業に取りかかれないタイプです。

ATmega328P-PUを最小構成で動かす

最近、空き時間にAVRマイコンで遊んでいるのですが、Arduinoボードのように周辺機器や回路を満載せず、最小構成で動かしたいと感じることがあります。 Arduinoボードには、USB-シリアル変換インターフェース、5Vおよび3.3V定電圧電源、水晶発振子やセラミック発振子、電源...