2020年3月30日月曜日

Fukuoka Growth Nextでdocomo 5G基地局を撮影


2020年3月25日に一般向けにサービスを開始したdocomoの5G(第5世代移動体通信システム)ですが、福岡でも既に複数個所でのサービス提供がアナウンスされています。
そのサービスエリアのうちの1か所にあたる Fukuoka Growth Next には、屋内向けの 5G 基地局が整備されています。
今回はその設備の一部を撮影してきました。


今回撮影した通信設備の全体図です。
Fukuoka Growth Next の1階部分の廊下、東側と西側に、このような設備が1か所ずつついています。写真はそのうちの1か所(西側)です。
これらの設備は、Sub-6GHz 帯の通信を担っている設備のように見えます。
また、Fukuoka Growth Next の基地局整備に関して判明したのは、屋内設備のみの整備であり、屋外にはアンテナ含め一切の設備が整備されていない点です。ただし、今後屋外設備の整備が進む可能性は否定できません。




それぞれの通信設備をアップで撮影しました。 
私はこれらの装置には詳しくないですので、詳しい方がいらっしゃればコメントで情報を補足していただけるとありがたいです。

アンテナとしては、このような屋内向けの小型のアンテナが廊下に点在していました。
形状としては IMCS 局などでよく見かけるタイプのものだと思います。

その他、minne LAB というコワーキングスペース内に28GHz帯のアンテナ(280L2SRU)が上下逆さまに取り付けられていることを確認済みです。
ただし、minne LAB 内は一般の方の立ち入りを制限されていることや、受付に常駐のスタッフさんがいないことなどから、許可を取っての撮影は今回していません。

今回撮影した機器の大半は銘板もアップで撮影していますが、画像枚数が多くなりすぎるので掲載はしていません。必要な方がいらっしゃれば追記したり別途アップロードするなどして情報提供します。

最後におまけ。
Fukuoka Growth Next 内に設けられた docomo 5G の特設ブース(?)です。
ディジタルサイネージとパンフレットの配布、VR ヘッドマウントゴーグルの体験などがあります。展示内容は写真にあるもので全てで、大した展示内容ではないと思いますが、一般の方でも自由に立ち入れる場所にありますので興味がある方は是非。

2020年3月25日水曜日

docomoが5Gをはじめるらしいので

一昨年くらいからずっと5Gを試したくて試したくて。高校の時から「5Gの端末が出たら人柱になるんだ」なんて言いながらずーっと待ってました。
いよいよなんですね...!

5Gの概要などはドコモ5Gホワイトペーパーを見て頂いたりすると分かりやすいのかなと思います。
「ミリ波帯を使った今までとは根本から違う通信方式」と思っている方も多いかもしれませんが、そうではなく、今までの4Gまでの技術を長期的に成長させつつ、新しい無線アクセス技術としてミリ波帯など非常に高い周波数帯も取り入れるという構造になっています。5Gの土台はあくまでも4Gであって、全くの無から5Gが生えてくるというのは違います。
そして、5Gでは端末や基地局を増強して一人あたりの通信速度を増大させることだけではなく、より多くのユーザーが同時に快適に通信を行えるという「大容量化」も重要な目標になっています。そのためにはバックボーンの整備や更新もしていかないと5Gの恩恵はなかなか得られないのかなあと思ってます。

5Gのサービスインが秒読みに入るいま、全国で5Gの基地局整備がどんどん進んでいます。基地局は意外な場所に整備されていることも多く、例えば博多駅博多口では地下通路の入り口の建物に基地局が取り付けられています。
こういうのとか...

こういう感じのものが至る所で見れます。
5Gの28GHz帯のアンテナはお弁当箱のような形状で非常に目立つため、探しやすいと思います。
福岡では、博多駅博多口のほかに、福岡市役所や大名小跡のFukuoka Growth Nextなどでドコモの5G基地局が整備されているようです。市役所にあるのは知っていましたがGrowth Nextに整備されているのは初耳ですので、今度撮影してこようと思います。

5Gの当面の課題は通信エリアです。今まで以上に高い周波数帯を使うため、直進性の高さや到達距離の短さなどに阻まれてエリア整備が難しくなるでしょう。
閑散としたエリアでは今までのように700MHz~2GHzといった低めの周波数帯を主に活用し、比較的人の集まる場所でサブ6と呼ばれる比較的高い周波数帯を使い、非常に多くの人が滞留する場所や通信量が膨大な場所において28GHz帯を整備するなど、バンドの使い分けが今まで以上に進むのではないかなと予測しています。
航空祭や屋外フェスといった、大勢の人が一堂に集まる催事なんかで、移動基地局車を持ってきてサブ6や28GHz帯を開放したりできたら良さそうだな、とも思ったり。
いずれにせよ、地方でも5Gの恩恵が受けられるまでどれくらいの期間が掛かるのかが気がかりですね。

思えば、日本でLTEのサービスが始まった当初もエリアが相当狭かったと記憶しています。docomoでは2010年終わりごろから始まったサービスですが、10年が経過した今では全国をほぼ網羅しており、LTEと入れ替わる形で3Gのサービスが終わりを迎え始めようとしています。LTEの導入によって、それまで低速だった屋外でのデータ通信が十分高速かつ実用的なものになり、ブラウジングやSNSのみならず動画のストリーミング再生すらスムーズにこなせるようになりました。まだまだ目新しい存在だったスマートフォンも、LTEに支えられてその地位を確固たるものにし、普及が加速していきました。

そして、今から5年後、10年後を考えたときに、5Gがどれくらい全国に浸透しているのか。LTEが携帯電話のあり方を変えたように、5Gがスマートフォンのあり方をどのように変えていくのか。これからが楽しみです。


2020年3月12日木曜日

HDDの論理障害が発生したのでデータを復旧した話

普段使っている、ウェスタンデジタルのHDD(WD20EZRZ)がある日突然論理障害を起こしてアクセスできなくなったので、自分でデータ復旧を行った話を軽く時系列順にまとめました。

■おやくそく
データ復旧作業には、データ全喪失の危険性が常に付きまとう。
「HDDから異音がするなど、明らかな物理障害の兆候が見られる場合」や「喪失が許されないデータや、仕事で使うデータが入っている」ような場合は、絶対に個人でのデータ復旧を試みてはならない。
個人でのデータ復旧作業はあくまでも実験や遊びと同程度のものであると考え、完全な自己責任の下で行うべきである。
また、この記事はあくまでも日記であり、データ復旧の方法を紹介するものではなく、この記事を参考にして行ったデータ復旧によって損害が起きた場合も一切の責任を負わない。

■今回の作業環境について
・PC: 富士通 LIFEBOOK SH75/C3, Windows 10 Pro 64bit
・内蔵ストレージ: Sandisk SD9SN8W-256G-1016 (M.2 SATA 256GB)

・復旧対象のHDD: WD20EZRZ(3.5インチSATA 2TB)
→元々デスクトップPCで使っていたデータドライブ。PCを入れ替えた後も外付けキットを介して上記PCに接続。ファイルシステムはNTFS、パーティションはGPT。

・作業用ストレージ1: Intel SSDSC2KW256G8 (2.5インチSATA 256GB)
・作業用ストレージ2: SanDisk 64GB SDXCカード(並行輸入品のよくわからんやつ)
→PCの内蔵ストレージの空きがないため、データ移行の際に補助的に利用(そして作業に手間取った要因でもある)。

・外付けキット: フリーダム社のこの製品(SATA 1.5Gbps ⇔ USB2.0)
→上記のHDDや作業用SSDにPCからアクセスする際に使用。速度が非常に遅く、私の環境では最高でも30MB/s前後の速度しか出ない。その代わりに非常に安定した読み書きができるので、信頼して使用している。

・今回の復旧作業の立役者: Ubuntu 18.04.3 LTS (Live USB)
→Testdiskを叩いたり、辛うじて読み出せるようになったHDDからデータを引き抜いたりするのに大活躍。

■障害の発覚と状況の切り分け(時刻はJST)
・3/10 18時頃
いつものようにHDDをWindowsにつないでも認識されない(Dドライブをフォーマットしますか?の表示すら出ない)。
Adminでログインし、ディスクの管理画面からHDDを見てみても、パーティションがNTFSであるともRAWであるとも書かれておらず、ディスクの容量も16384GBと、明らかにおかしな表示。そのうえ、ドライブレターが消えている。これではchkdskコマンドを叩けないため、Windowsでの対処は困難と判断。
HDDからの異音もなく、CrystalDiskInfoからのSMART情報の読み込みも成功。不良セクタ等の表示にも異常が無いことから、論理障害を疑う。

・3/10 22時頃
作業用SSDにUbuntu起動イメージとRufasをダウンロードし、LiveUSBの作成完了。これ以降はUbuntuを主に使用して作業を進めていく。

・3/10 23時以降
gparted、ntfsfixなどを試したがパーティションが読み込めない。
sudoでapt updateとapt install testdiskを叩き、testdiskからEFI GPTを選択してクイックスキャン。
希望するファイルやフォルダがずらっと並んでいることを確認した。

■障害からデータを救出する作業
・3/10 23時以降
testdiskで発見したパーティションの痕跡が正常っぽかったため、そのままWrite。
結果、Ubuntuからはファイルが正常に読み出せる状態に。

・3/11 0:30頃
Windowsからファイルが読み出せるか試行も、「ファイルシステムがRAWである」と表示され、フォーマットを促される(怖いからやめてくれ!)。ドライブレターが復活するも、この状態ではchkdskでのファイルシステム修復も出来ない。
再度testdiskでの復旧を検討しつつ、パーティションの復旧方法を模索する。

・3/11 1:00頃
再度Ubuntuに入り、最低限必要なデータを退避させる作業に入る。
この際、Ubuntuから作業用のSDカードにデータを一旦移動し、その後Windows上から作業用のSSDにデータを移行してSDカードの残量を空けるという方法をとったため、非常に手間取ってしまった(作業用SSDの都合上Ubuntuから書けないことや、作業環境の貧弱さなどが関係した)。

・3/11 2:00頃
作業を一時中断。

・3/12 0:00頃
データ退避作業の再開。この時点では最低限必要なデータのみを作業用SSDへ退避させている。

・3/12 3:00頃
データを退避させたため、testdiskから再びWriteを試みる。
相変わらずUbuntuからはファイルが読めるも、WindowsではRAWと認識されてフォーマットを促される(chkdsk叩けない)。
HDDの状況がこれ以上良くならないことを確信。

■最終的な復旧方針
・必要なデータはHDDから作業用SSDやSDカードにすべて待避。
→完了。不要なデータもHDDに多く存在したが、今回はすべて見捨てることにした。

・HDDは一度フォーマットし、パーティションやファイルシステムを消して書き直す。
→完了。

・HDDに試験的に少量のデータを書き込み、問題なければ待避させたデータを戻して復旧完了。
→HDDの健全性を確認したため、データを書き戻す作業を継続中。
→完了(3/13)。現状ではHDDや保存したデータに異常は見られない。


■今回の障害の原因は?
・以前「HDD用の外付けケース」を2台ほど試したことがあるが、2台とも連続読み書き中にフリーズするという粗悪品であった(変換基板の熱暴走っぽい)。
・HDD外付けケースに内蔵した当該HDDへのデータの書き込み中に、Windowsを巻き込んでフリーズし、そのたびに外付けケースの電源を途中で落としたり、USBを引っこ抜いたりしていたので、ファイルシステムが破損してしまった可能性がある。
・あくまでも推測であり、詳しい原因は分からない。

■今回の障害における学習ポイント
・HDDの障害原因は必ずしも物理障害や不良セクタが原因とは限らず、今回のような論理障害も起きうる。
・HDDに限らず、大容量ストレージに保存したデータはいつ喪失するかわからない。
・NTFSが壊れるとWindowsからは読めなくなることがあり、Linuxからは読めても修復作業までは困難になる。
・バックアップは重要である。

■今回の障害対応で気をつけたこと
・障害が起きたHDDへの書き込みはあくまでも最小限(testdiskでのWrite)にとどめ、ファイルを移動したり書き込んだり削除する操作は行わず、読み出すだけに留めた。

■感想
作業環境が貧弱で苦労したのと、論理障害からの復旧作業は初めてなので手探りで復旧するのが大変でした。
データを全ロストする恐怖が付きまとう中でこんな面倒な作業の繰り返しをやらされる大変さを考えれば、データ復旧業者の作業費用は決して高いものではないなと感じます。

2020年3月5日木曜日

電線共同溝の地上機器について

日本は世界的にみても電柱や電線が多い国だとされています。
電柱を使って架空線で配線する方式には「安く迅速に工事できる」「狭い道でも配線が容易」というメリットがありますが、景観に対する悪影響や、地震や風水害といった災害への弱さが問題視されてきました。そこで我が国でも進められているのが「電線類地中化事業」です。

現在行われている電線類地中化事業では、電線共同溝(C.C.BOX)という管路を地中に埋め、そこに様々な事業者の配電線や通信線を収容するという方式がとられています。
この管路は普段は地中に完全に埋もれていて、地上から目にすることができませんが、管路の途中途中に設けられる地上機器やマンホールといった「特殊部」を目にすることはできます。

今回は九州電力管内の地上機器を撮影してきましたので、写真とともに紹介します。

■地上設置型開閉器塔(SWT)

開閉器とは電気用語でスイッチを意味します。
6,600V高圧系統を区分するための装置で、高圧系統を切ったりつなげたりする役割があります。一般的に、普段は開閉器が「閉」つまりオンの状態になってますが、作業や保守点検などで必要な際には「開」つまりオフにすることができます。

地上設置型変圧器塔(TR)

6,600Vの高圧で送られてくる電気を降圧し、100V/200Vの低圧に下げて配電するための装置です。通称「パットマウント」と呼ばれています。
電気は高圧であればあるほど、大量の電力をより細い電線で送電でき、さらに送電ロスが少なくなるという性質があります。しかし、高圧の電気には、感電のリスクなどが高いなどの扱いにくい点があります。そのため、変電所やパットマウント変圧器など要所要所で変圧して、目的通りの電圧に調整しています。

■地上設置型低圧分岐装置(LB)

地中の低圧電線路の幹線を分岐させ、家庭やお店といった需要家に配線するための分岐箱です。地上設置型のほか、地中のハンドホール内に設置する分岐装置もあります。
他の電力会社ではLBではなくLSと略しているところが多いようです。

■おわりに
この記事を書いたのは、「地上にいろんな機器が置いてあるけど、なんのための箱なんだろー?」と疑問に思ったのがきっかけでした。この記事を通して、電線共同溝について知識が深まれば幸いです。
地上に設置される機器としては、今回ご紹介した3種類がほとんどを占めます。
今回ご紹介した機器はすべて地上に露出しているものですが、このほかにマンホールやハンドホールも撮影してきました(蓋だけで、内部は撮影していませんが...)。こちらも機会があったらご紹介したいと思います。

■参考にさせていただいたサイト
九州高圧コンクリート工業/ハンドホール
地上機器の略称と正式名称を紐づけるのに役立ちました。
配線分野 | 九電テクノシステムズ株式会社
LBの役割について調べさせていただきました。
CCBOX(電線共同溝)とは?
電線共同溝の基礎知識について、わかりやすく解説されています。
電線共同溝の設備 | 道路 | 国土交通省 関東地方整備局
電線共同溝の機器の概説と、ハンドホール内部の写真が閲覧できます。

※2020/3/15 - 画像の差し替えを行いました。

ATmega328P-PUを最小構成で動かす

最近、空き時間にAVRマイコンで遊んでいるのですが、Arduinoボードのように周辺機器や回路を満載せず、最小構成で動かしたいと感じることがあります。 Arduinoボードには、USB-シリアル変換インターフェース、5Vおよび3.3V定電圧電源、水晶発振子やセラミック発振子、電源...