4G LTEとWiMAXの違いは単純で、4Gは「遅いけどいろんなところで繋がる」、WiMAXは「エリアは狭いけど高速通信が得意」という特徴がありました(過去形)。ですが現状は両者ともこの点での違いがほとんどなくなりました。4GはMIMO技術やキャリア・アグリゲーション技術などを取り入れて格段に高速化されてしまい、実効速度も大幅に高速化。人混みでもとても快適に通信できますね。
WiMAXもエリアが広がり、通信できない場所は減っています。
では現状の両者の違いは何かというと、WiMAXは「データ通信が実質使い放題」ということですね。
4Gを利用したプランは月間データ容量が30~50GBに制限されたものがほとんど。スマホなら実質使い放題と言っても過言ではありませんが、PCやゲーム機につないで固定回線代わりに使うとこれでは全く足りません。
それに対してWiMAX。これは現状、3日間のデータ容量が10GBに制限されていますが、月間データ容量には特に制限が掛けられていません。このためガッツリ通信しまくっても結構余裕があります。もちろん、何GBもするような大きなファイルをダウンロードしたりすると一発アウトなので、そういった作業は学校や会社のLANにつないで行うなどの対策を取りたいです。
さて、モバイルネットワークの整備には特徴があります。それは「人の多いところを重点的に整備する」ということです。
一般的にモバイルネットワークは、マクロセルと呼ばれる大きな基地局を使って広範囲をカバーするようにしています。マクロは「巨大な」、セルは「細胞」という意味。カバー範囲のことを一つ一つの細胞に例えているんですね。(マクロセルはざっくり説明すると「携帯電話の鉄塔」ですね。見たことある人も多いはずですよ)
マクロセルは通信会社にとっては都合がいい整備方法です。広範囲を少ない設備でカバーできるので、少ない費用でエリア面積を稼ぎやすいです。ですが利用者にとってはやや都合が悪いです。自宅内で使う場合などは電波が入りにくくなりますし、通信速度もあまり出ません。
駅や街中にも目を向けてみましょう。こういった場所は建物が密集しており、電波が遮られて遠くには届きません。それに利用者も多く、大きなマクロセルを少数設置する手法では対応しきれません。こういった場所では「スモールセル」という小さな基地局を多数設置して対応しています。
→誤りでした。正しくは「局所的に通信速度を向上させたり混雑を緩和するために、既存のセルの中に新たに付加して設置される基地局がアドオンセル」です。お詫びして訂正します。
スモールセルなどの整備は、通信会社にとっては負担が大きいはずです。しかし利用者へのメリットは絶大です。スモールセルのカバーエリア内ではとても高速に通信できることが多いです。
私も実際にいろいろな場所でWiMAX2+の速度測定を行っています。自宅内では下り20Mbps、上り2Mbpsが限界ですが、博多駅博多口の広場では下り98Mbps、上り10Mbpsをマークしたこともあります。90Mbpsくらいの速度が出れば満足という人も多いはずなので、街中での基地局整備の効果がわかるでしょう。実際、博多口の広場にはいろいろな基地局のアンテナが設置されており、注意して散策すれば容易に見つけることができます。過去にはそうした基地局の撮影も行っていました。
そんなこんなで、モバイルルーターは持ち運んで使うと結構お得だということと、持ち運ばない人への恩恵はあまり少ないよというお話でした。
私の周囲でも結構「SoftBank Airが遅すぎる」とかそういった話を耳にしますが、据え置き型のモバイル(?)ルーターで速度を出すのは難しいだろうなぁと思っています。住宅街にはあまりスモールセルなどの基地局は建たない傾向にありますからね...
0 件のコメント:
コメントを投稿